冗談、ジョーク。

何年か振りに東京へ行った。

入院している親戚の叔母がもうあまり長くないとのことで、飛行機に乗り向かった。

 

病室に着くと何人か親戚の人がおり、叔母を囲み話をしていたが、皆表情は固く泣いている人もいた。

 

叔母はベッドに横たわり、細々く痩せた身体は弱々しく呼吸していた。膵臓癌らしく、担当医がいうにはもういつ亡くなってもおかしくないらしい。

 

病室の空気が重くなっていたが、自分はそれに飲み込まれたくはなかった。結局のところ人が生まれ、衰退の一途を辿るというプロセスは客体思考からなるもので、ただそういう「夢」を観ているということに過ぎない。その夢に飲み込まれたくはなかった。

 

でも自分だけ病室を抜け出すことが出来るような状況ではなかったので、天使にお願いすることにした。

 

「天使よ、私はこの雰囲気に飲み込まれたくありません。私をサポートしてください、助けてください。」

 

すると眉間の位置、おでこの辺りに急にモヤモヤした光のようなイメージが現れた。それは天使のような姿ではないが、とても波動が高く、見ていると落ち着いてくる。

 

「私を見なさい」、ただその一言だけメッセージが来た。

 

その光に意識を向ける。すると周りの景色がスッと軽くなって、一気に気持ちが晴れやかになった。

その感覚を例えるならば、深刻なことがあった時に「嘘だよ嘘!全部冗談!」と言われ、「なぁ〜んだ、全部冗談か!」ってなる感じ。

 

目の前の悲しみや世界に蔓延る「問題」と定義される物事は全て冗談、ジョークで「像」である。

 

宇宙は全てが冗談で何も存在はしない。でも「存在しない」存在がいて、それが観る「夢」が宇宙となって現れる。

 

その後東京を観光したが、映る景色、通りすがる人、それら全てが自分のソウル宇宙に映った「像」で、全て夢なんだなと感じていた。

 

渋谷のすごい人混みや上野駅のホームレス、それらも自分が観ている夢だった。